ハイクラス向けウェブマガジンに月間来訪者5万人。ニッチを活かした「Four Seasons Hotel & Resorts 」【コンテンツマーケティング・ケーススタディ10】

Four Seasons Hotel & Resorts (以下フォーシーズンズ)は世界各国に展開している国際的なホテルチェーンです。

日本でもフォーシーズンズホテル丸の内東京があり、2012年をもって業務提携契約が終了していますが最高級ホテルとして知られる椿山荘東京を運営していた事でも有名です。

フォーシーズンズはニッチな情報に富んだウェブマガジンと、戦略的なソーシャルメディアの活用により成功をおさめたBtoC企業の1つです。

戦略1:ニッチなウェブマガジン「FOUR SEASONS MAGAZINE」

ウェブマガジン「FOUR SEASONS MAGAZINE」は、「食とレストラン」「買い物とスタイル」「スポーツとアウトドア」「スパ」「子供と家族」のカテゴリーに分かれており、いずれも多くの美しい写真と豊富な情報で埋め尽くされています。

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FOUR SEASONS MAGAZINEが多くの購読者を獲得した理由には、旅先を訪れるお客様の目線にたって制作されたコンテンツであることでしょう。例えば「Things to Do in London With Kids」(子供連れでロンドン旅行にいったらすること)なんて子供連れの旅行客にとっては是非読んでみたいコンテンツです。

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コンテンツマーケティングの成功にはコンテンツが「ニッチ」であることが重要です。

これまでのホテルの情報サイトや観光向けのサイトにはないニッチな情報が盛り込まれたこのウェブマガジンの月間来訪者数は今や50,000人にものぼっています[1]

他にも、ニュースレターやソーシャルメディアを使って、購読者を増やしています。

  • ニュースレターの購読者:500,000 人(開封平均30%)
  • Facebook ファン:コーポレートページを含め200,000人
  • Twitterのフォロワー:181,0000人超

戦略2:ソーシャルメディアを使ったバーチャルコンシェルジュ

フォーシーズンズはソーシャルメディアを使った戦略に積極的に取り組んできました。中でもPinterestを使った「Pin.Pack.Go」プログラムは、各地域のローカルエキスパートと顧客(または潜在顧客)が旅のプランの段階からコミュニケーションをとることでエンゲージメントの獲得につなげることに成功しました。

「Pin. Pack. Go」とは、まず顧客(潜在顧客)が休暇プランをPinterestの「Pin.Pack.Go」ボードに設置します。

その後、滞在希望先のフォーシーズンズのアカウントがそのピンボードをフォローし共有ピンポードの完成です。

ここから、滞在先のローカルエキスパートとのコミュニケーションが開始されます。ローカルエキスパートは、バーチャルコンシェルジュとして、投稿される写真をもとに旅人の理想プランが出来上がるまで、惜しみないアドバイスを提供してくれます。

このキャンペーンの結果は以下の通りです[2]

  • Pinterest のフォロワー 3,004人(80%アップ)
  • リピン(Repins)89回
  • ライク(Likes)60回
  • コメント 150回

ビジュアルに訴える美しい写真が素材として多く用意できる旅行ビジネスと、Pinterestがマッチした点も成功のポイントでしょう。

戦略3:新たな顧客層獲得に向けたソーシャルメディアキャンペーン

フォーシーズンズの顧客は富裕層の旅行者やステータスの高いビジネスマンといった比較的高年齢層のお客様がほとんどです。

しかし、新たな顧客(若者層)獲得の必要性を感じたフォーシーズンズは、ソーシャルメディアとインフルエンサーを使ったマーケティングを開始しました。

まずその第一弾が、2012年6月にオープンしたレストランAllium(フォーシーズンズのシカゴ店内)での2つのキャンペーンです。

キャンペーン1 – ランチを無料に

モバイルからソーシャルメディアに口コミを書くことで28ドルのランチを無料にするキャンペーンです。書き込みの条件は、ロケーション、ハッシュタグ、Twitterアカウントのこの3つです。

結果は、Facebook、Instagram、Twitterへの投稿が84件、533,300回のインプレッション(閲覧回数)、そして数百件の自然なエンゲージメントを生み出しました。[3]

キャンペーン2 – ディナーへ招待

インフルエンサーを無料のディナーに招待し、ソーシャルメディアに投稿してもうらキャンペーンです。インフルエンサーとは、サービスや製品を購入する際の意思決定にソーシャルメディア上で強い影響力を持っている人物です。

結果は、キャンペーンを行った3時間で218件のソーシャルメディアへの投稿がありハッシュタグ「#partyatallium」はInstagramとTwitterのトレンド入りをしました[4]

この2つのキャンペーンを行った結果は下記の通りです。

  • ソーシャルメディアでの投稿 302件
  • エンゲージメント 2,429件
  • インプレッション(閲覧回数)2,563,029回

そして、驚くことにこのキャンペーンで来訪していたお客様の40%がAlliumに再訪しました[5]

フォーシーズンズは、キャンペーン期間に自社の高いサービスをアピールし、見事潜在顧客を、顧客・リピート客へと結びつけることに成功したのです。

過去記事の紹介

引用・参考情報

[1] http://d1xejl9xcsndu9.cloudfront.net/wp-content/uploads/2015/03/4S_Media-Kit_LO.pdf

Reach – site average of 50,000 unique visitors monthly

[2] http://hospitality-on.com/uploads/tx_awardsapplication/135/FOUR_SEASONS_PIN_PACK_GO_HOSPITALITY_AWARDS.pdf 9~10ページ目

[3] http://www.socialmediatoday.com/content/hipper-social-four-seasons-hotel-drives-high-return-rate-case-study

[4] http://www.socialmediatoday.com/content/hipper-social-four-seasons-hotel-drives-high-return-rate-case-study

In the end, 218 social posts were generated in a matter of three hours. Not bad for a first time engagement. The hashtag #partyatallium trended over Instagram and Twitter and the Allium brand marketed itself by simply allowing their service, food, and atmosphere an opportunity to sell itself.

[5] http://www.socialmediatoday.com/content/hipper-social-four-seasons-hotel-drives-high-return-rate-case-study

Freebie tracked return customers and new customers generated by the campaign, and saw that Allium achieved a 40 percent customer return rate. Freebies can only be redeemed once, yet 40% of customers were driven back to Allium for a second dining experience. These customers, as well as others that engaged in their social postings, returned to Allium for a second time — without incentive.


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