企画に困らなくなるために必要なたった1つの事

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Photo credit: qisur

コンテンツマーケティングのため定期的に企画会議やアイデア出しをしているマーケティング担当者の方も多いと思います。

しばらく運用すると企画に困り始めるのが常なのですが、なぜ企画に困るのか?この原因を少し掘り下げて考えて行きます。

(実現できない)アイデアに枯渇する事はない

みんなが分かっていいる事ですが、実現できそうにない思い付きをアイデアを企画と呼ぶのであれば誰でも幾らでも企画を出せます。

アイデアは実現方法に価値があります。実現できない思い付きがどれだけあっても形に出来なければ価値を生み出しません。

  • アイデアが今のリソースと予算と期間内で実現できるか?
  • どうすれば実現範囲内で納めながら結果を期待できるか?
  • 技術的課題を解決できる委託先を見つけられるか?

これら条件をクリアして実現できるアイデアを出すには、自分たちのプロジェクト・チームで実現できる幅を広くする事が大切です。

絶対的に必要な1つのスキル

情報の仕入れ先を増やす、お付き合い先の幅を広げる、相談できる相手・ブレーンを新規開拓する、1企画当たりの予算を増やす。引き出しの数を増やして企画の幅を広げるにはどれも大切です。

そして、これら以上に必要なのが「今の制約の中でどこまで出来て、どこからが出来なくなるのか」を把握するスキルです。

到底実現できない、実現できる根拠のない企画に注力しても結果が伴う事はまずありません。全員頭では分かっていますがプレッシャーがかかる状況になると「それはちょっと…」と言えずに実現できない企画に労力を注いでしまう事になります。

制約を正しく把握する

コンテンツを作るのには技術的な制約があります。コンテンツの配信にも制約があります。配信したコンテンツの結果解析にも制約があります。スポンサーやステークホルダーの要求も制約になります。

これらの制約は常に存在しますので理解した上で「制約の上限に合わせて」企画を具体化するのか、それとも「制約を回避する方法で」企画を具体化して行くのかを判断します。

どちらを選ぶにしても制約の所在を正しく認識する事が企画の具体化するコツです。

1リットル入るコップに1リットルまで水が入ります。この容量を勘違いして10リットルまで入ると思って水を注ぐと、期待していた効果が出ません。10リットルの水を注ぐには10リットルの水が入るバケツを準備する必要があります。

制約を見極めるには

ではどうやってこの制約を見極めるのでしょうか?

それは「どの問題領域においての制約か」を理解して制約に接する事です。

例えばインタラクティブコンテンツを作る企画があり、この実現のために解決しなければならない課題と制約を以下のように定義します。かっこ()内が制約です。

  • 制作期間(3カ月)
  • 制作予算(500万円)
  • 技術的に実現可能か(各社スマホの標準ブラウザで動作)
  • ベンダーのアサイン(資本金1,000万円以上と上記3課題のクリア)

これらの課題はそれぞれ違う問題領域の中に存在しています。鍵かっこ「」の中が問題領域です。

  • 制作期間(3カ月)「ベンダーの技術力」
  • 制作予算(500万円)「自社の販促費」
  • 技術的に実現可能か(各社スマホの標準ブラウザで動作)「ウェブブラウザの仕様」
  • ベンダーのアサイン(資本金1,000万円以上と上記3課題のクリア)「ベンダーの開拓」

そのため4つの課題を解決するには4つの問題領域へのアプローチが求められます。入れ子になっている箇所がアプローチ例です。

  • 制作期間(3カ月)「ベンダーの技術力」
    • 技術力のあるベンダーかヒアリングする
  • 制作予算(500万円)「自社の販促費」
    • 社内でかけあって予算を増やす
  • 技術的に実現可能か(各社スマホの標準ブラウザで動作)「ウェブブラウザの仕様」
    • 主要ウェブブラウザがサポートしている仕様範囲に企画を収める
  • ベンダーのアサイン(資本金1,000万円以上と上記3課題のクリア)「ベンダーの開拓」
    • 条件に一致するベンダーを探しアポイントを取る

課題の解決方法が具体的になってきました。漠然とした「3カ月500万円でコンテンツ作ってね」だった企画に、調整や交渉できる幅が増えてきているのが分かります。

制約を把握できるようになると企画に柔軟性が生まれます。これによって「到底実現できない」と思っていた企画も少し形を変えて実現できたりします。

後付けのアクセントに気を付ける

制約を把握して企画に柔軟性を持てるようになり、現実的な落としどころが見えて来ました。

そして当初の企画を見直してみると幾つか実現できない点も分かってきました。

ここで実現できない点の代替えとして、新しく1要素をアクセントとして盛り込む事ように上司から指示されたとします。多くの場合、ここでその提案されたアクセントを盛り込んでしまうのではないでしょうか?

多くの企画が失敗する原因の1つがこの後付けのアクセントです。

優れた企画は制約に合わせて最適化されたデザインになっています。そこにデザインに合わないアクセントが加わる事で最適化されているデザインはいとも簡単に瓦解します。

追加要素が完成に近いづいている企画と噛み合わず取り返しのつかないデメリットを生むと判断した場合、その提案を断りましょう。次回の企画に反映させた方が良い結果を生みます。

コンテンツマーケティングの企画はデザインが大切

アイデアの幅を広げるには制約の把握が大切で、制約に合わせた企画がデザインされると現実的なコンテンツが生み出されます。

今風に言えば「ユーザー視点の要求に合わせてデザインされたコンテンツ」となるのでしょうか。観察工学っぽい話ですね。

コンテンツマーケティングの現場では、思い付きやその場の閃きではカバーしきれない量の問題解決が求められていると思います。そして、それら問題1つ1つに企画が必要になります。

この記事が問題解決を定量的に推し進める企画立案の手助けになれば幸いです。

 


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