「RedBull」宇宙からスカイダイビングに800万人の視聴者 【コンテンツマーケティング・ケーススタディ2】

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Photo credit: francisco_osorio / CC BY

レッドブルは1987年にオーストラリア人起業家デートリッヒ・マテシッツが設立したオーストリアの会社です。

もともとタイで売られていたエネルギー・ドリンクの販売権を獲得し、今日までに全世界160各国で年間54億本を販売する世界最大のエネルギードリンクメーカーに成長しています。

F1を始めとする各種のスポーツ・イベントに積極的に参加していることでも知られ、日本でもその知名度が高まってきています。

そしてレッドブルはコンテンツマーケティングが上手な会社としても知られています。

宇宙からスカイダイビングに800万人の視聴者

アメリカのマーケティング本のベストセラー『インバウンド・マーケティング』は、インバウンド・マーケティングにおいてもっとも重要な必要条件として「突き抜けたコンテンツ」を消費者に提供することを挙げています。

レッドブルはそれを実証するように数々の突き抜けたコンテンツを生み出し続けています。

レッドブルの「突き抜けたコンテンツ」の中でも最も多くの注目を集めたのが2012年10月に行われたレッドブル・ストラトスプロジェクト[1]でしょう。

このプロジェクトは、オーストリア人スカイダイバーのフェリックス・バウムガートナーが当時の世界記録となる地上39㎞上空からのスカイダイビングを試みるという壮大なもので、プロジェクトの開始前から世界中の人々の関心を集めていました。

成層圏というほとんど宇宙空間からスカイダイビングをするという挑戦はおのずと話題を呼び、ジャンプ当日には世界中のメディアが開催地のロズウェル空軍基地に集まりました。

バウムガートナーは宇宙服に身を包み、ヘリウム気球に繋がれたゴンドラに一人乗りこみ、複数のセルフィーカメラで自らを撮影、世界中にストリーミング配信しました。そして、人々は固唾を飲んでジャンプの瞬間を見守りました。

ジャンプの瞬間、レッドブルのFacebookページ[2]にはアクセスが集中し、90万回ものインターアクション(「いいね」やシェア、コメント)が殺到しました。

また、ジャンプの瞬間をストリーミング配信したYouTubeには世界中から800万人もの視聴者が殺到しました。

ジャンプの一部始終を収めたYouTubeの動画は今も人気を集め、これまでに3,800万回再生される人気コンテンツとなっています[3]

また、レッドブル・ストラトスプロジェクトそのものも英BBCによってドキュメンタリー映像化[4]され、世界中で放送されました。

調査会社イーコンサルタンシーによると、レッドブル・ストラトス・プロジェクト単体でレッドブルの全世界売上を7%増加させたそうです[5]

スポンサード・コミットメント

レッドブルはまた、各種のイベントにコミットしていることでも知られています。

これまでに16のプロスポーツチーム、21のレーシングチームをそれぞれスポンサードしています。

スポンサードしているプロスポーツチーム一部抜粋

  • ドイツのプロサッカーチーム・RBライプツィヒ
  • ニューヨークのプロサッカーチーム・ニューヨーク・レッドブルズ
  • インフィニティ・レッドブルF1チームなど

スポンサードしているレーシングチーム一部抜粋

  • アウディ
  • ホンダ
  • プジョー
  • フォルクスワーゲンなど

また、上記のレッドブル・ストラトス・プロジェクトの他にも各種イベントを開催しています。

  • レッドブル・クリフダイビング・ワールドシリーズ
  • レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ
  • レッドブル・Xアルプス
  • レッドブル・モトGPルーキーシリーズなど

いずれのスポンサーシップ、イベントも、映像を含めてコンテンツ化され世界中に配信されています。

マルチプル・メディア

レッドブルはコンテンツを複数のメディアを活用して上手に流通させています。

自社のコンテンツを「レッドブル・メディアハウス[6]」という専用サイトに整理して掲載していますが、コンテンツが「デジタルメディア」「映像」「印刷物」「テレビ」のカテゴリーに分けられて発信されています。

特に強いのが「映像」でコミットしている各種のイベントが4Kレベルの映像に収められています。

レッドブルのYouTubeチャネル[7]にはジャンル別のコンテンツが揃えられ多くの登録者がいます。かっこ()内は登録者数です。

  • レッドブル・Eスポーツ(4万7千人)
  • レッドブル・エアレース(3万6千人)
  • レッドブル・ミュージック(20万人)
  • インフィニティ・レッドブル・レース(14万2千人)

それぞれのコンテンツには数百、多いものでは数千ものコメントやシェアが集められ、ユーザーが積極的に対話に参加しています。

4,000万人を超えるFacebookのファン

レッドブルはまたソーシャルメディアも上手に活用しています。

ツイッター[8]に205万人のフォロワー、Facebook[9]に4,375万人のファン、Instagram[10]に330万人のフォロワーを集め、いずれもレッドブルのコンテンツと相互にリンクしています。

特にFacebookではレッドブル本体のFacebookページの他、各種のサブ・Facebookページを有しファンを集めています。かっこ()内はファン数です。

  • インフィニティ・レッドブル・レーシング(463万人)
  • レッドブル・エアレース(61万人)
  • レッドブル・ミュージックアカデミー(24万人)

Instagramではレッドブルが撮影した高品質の画像が多数掲載され、ユーザーと共有されています。

企業活動をコンテンツに

レッドブルはどこよりも優れたコンテンツを揃え、複数のメディアを通じて流通を最適化させソーシャルメディアを使って相互にフィードバックさせています。

企業が社会の一員としてスポンサード等によりコミュニティに参画し、協働・共有して、活動そのものをコンテンツ化するアプローチの重要性を教えてくれます。

過去記事の紹介

「GoPro」300万人を超えるYouTube登録者 【コンテンツマーケティング・ケーススタディ1】

引用・参考情報

[1] https://www.facebook.com/redbullstratos

[2] 同上

[3] https://www.youtube.com/watch?v=FHtvDA0W34I

[4] http://www.bbc.co.uk/programmes/b01nts6t

[5] https://econsultancy.com/blog/65416-red-bull-vs-gopro-taking-content-marketing-to-the-extreme/

[6] http://www.redbullmediahouse.com/

[7] https://www.youtube.com/user/redbull

[8] https://twitter.com/redbull

[9] https://www.facebook.com/redbull

[10] https://instagram.com/redbull/

 


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