オウンドメディアに向いているCMSを見つける方法

Photo credit: Nikolay Bachiyski
CMSの選定はオウンドメディアを運営する中で永遠のテーマです。どのCMSを使うにしてもメリットとデメリットがあります。
結論を最初に書くと「条件と目的に合致した、運用を継続し易いCMSを使うのが好ましい」です。
「そんなの当然でしょ」との声が聞こえて来そうなので、この記事ではリストを作りメリットとデメリットを整理してCMSを選定する手順を説明します。
プライオリティを数字で付ける
まずはCMSで重視する要素を1~9までの数字でプライオリティ付けしましょう。
1が最も重要で数字が大きくなる程プライオリティが低くなり重要度が低いものです。
以下に要素例をリストアップします。
- 初期導入予算を抑える
- 導入の容易性
- 更新の容易性
- サイト管理工数を抑える
- プラットフォームからの流入
- SEO対策
- サイト表示速度
- 各タグ導入
- デザインのカスタマイズ性
例えば「取りあえず反響を見たいからスモールスタートでお手軽に来週から始めたい」場合であれは以下のようにプライオリティを付けます。
- 初期導入予算を抑える(4)
- 導入の容易性(1)
- 更新の容易性(2)
- サイト管理工数を抑える(3)
- プラットフォームからの流入(5)
- SEO対策(6)
- サイト表示速度(7)
- 各タグ導入(9)
- デザインのカスタマイズ性(8)
異なる例として「デジタルマーケティングと連動するので安定したサイトで高いパフォーマンスが欲しい」場合には以下のようにプライオリティを付けます。
- 初期導入予算を抑える(7)
- 導入の容易性(6)
- 更新の容易性(5)
- サイト管理工数を抑える(8)
- プラットフォームからの流入(9)
- SEO対策(4)
- サイト表示速度(1)
- 各タグ導入(2)
- デザインのカスタマイズ性(3)
目的によって優先したい要素がだいぶ異なりますよね。「コンテンツマーケティングだからこのCMSがベスト」と安直に考える事はおススメできません。目的に合わせてCMSを選ぶのが健全な判断に繋がります。
選択できるCMSの種類
次にどのようなCMSがコンテンツマーケティングのオウンドメディアで使われているのか列挙します。参考情報として、このサイト「コンテンツマーケティングのSCRIPTA(スクリプタ)」はWordPress.comで作られています。
- WordPress.com(ホスティングサービス)
- メリット:導入が容易でサイトが安定している。使い易い。
- デメリット:有料サービス、独自スクリプトの利用が不可。
- WordPress.org(オープンソース)
- メリット:最も使われているCMSでベンダー選定に困らない。
- デメリット:運用が煩雑になりがち。カスタマイズ費用が高額になりがち。
- Movable Type
- メリット:静的HTMLを出力するためサイト表示が速い。プラグインが豊富。
- デメリット:ライセンス料が必要。最新版を扱えるベンダーが少ない。
- コンテンツプラットフォーム(Medium等)
- メリット:プラットフォーム内からの流入が期待できる。使い易い。安定している。
- デメリット:カスタマイズの幅が狭い。
- ブログASP(はてなブログ、アメブロ等)
- メリット:利用者が多く慣れやすい。導入し易い。
- デメリット:信頼性に欠けているように見えてしまう。カスタマイズの幅が狭い。
- 静的サイトジェネレーター(Jekyll等)
- メリット:静的ファイルの設置で済むため運用が楽。サイト高速化が容易。
- デメリット:コメント利用等に他サービスとの連携が必要。利用者が少ない。
目的別おススメのCMS
それでは優先順位に合わせて最適なCMSを選択して行きましょう。
例1: 導入と更新が容易で予算を抑えて開始する
おススメはコンテンツプラットフォーム、ブログASPです。次点でWordPress.comにコンテンツプラットフォームです。
普通にブログを開設するノリでコンテンツマーケティングのオウンドメディアを構築出来ます。
小さく開始して流入が増え始め「コンテンツマーケティングに成功した」と判断したタイミングで次のアクションを考えます。
機能不足や他サービスとの連携が顕著になってくると WordPress.org、Movable Type を利用した独自サイトの構築が行われます。
ブログの延長で運用に困らなければ移転する必要がありません。
サイト表示速度を向上するために、例えば画像ファイルだけ別サーバーに設置する等の部分最適化も行えます。
例2: デジタルマーケティングと連動する高性能なサイト
おススメはWordPress.org、Movable Typeです。次点で静的サイトジェネレーターです。例外として想定している利用方法によってはフルスクラッチでの開発が必要な場合もあります。
初期投資が必要になりますが、デジタルマーケティングで必要になる各サービスとのインテグレーションを行うにはカスタマイズを自由に行えるCMS選びが大切です。
マイナーなCMSをカスタマイズするぐらいならフルスクラッチで開発してしまう方が速くて安い場合もあります。
例3: 流入確保と特にSEO対策を重要視したい
おススメはコンテンツプラットフォーム(Medium等)です。次点でブログASP、WordPress.comです。
コンテンツプラットフォームを利用するとプラットフォーム内からの流入を期待できます。注目を集めるコンテンツを提供できれば、プラットフォームへの信頼が手助けとなり紹介や拡散がされやすい傾向にあります。
また最初からSEO対策がされている構成でのブログメディアが提供されます。SEO対策のためのカスタマイズを行う必要がありません。またカスタマイズに失敗してSEO的なマイナス要素を増やす心配もありません。
今のSEO対策で重要やモバイル対策にサイト表示速度も大概においては問題がありません。(アフィリエイトやバナー広告を大量に乗せていれば話が別ですが)
サイト更新タイミングでの自動的なpingや、プラットフォーム内からの外部リンク獲得など、プラットフォームを使うとゼロからサイト構築するよりSEO対策で優位です。
重視する要素とCMSの関係表
ここまでの話をまとめた表を準備しました。この表はCMS導入直後の初期状態を表しているものです。
例えばMovable TypeのSEO対策が×になっていますが、SEO対策のためテンプレートをカスタマイズすれば◎に出来ますし、サイト高速化のため専用回線とサーバーを準備すれば速度が◎にする事ができまし、クラウド版を使えばサイト管理工数を◎に出来ます。
こうして表で見ると、ホスティングサービス系は自由度が低い変わりに扱い易いですね。ホスティングサービスを利用するとトラフィックが激増した時にサイトが閲覧できなくなるといったインフラに起因する問題も起こりません。
WordPress.orgは万能なのか?
小規模なオウンドメディア運用にオープンソースのWordPress.orgがおススメされているのを良く見ます。WordPress.orgは以下の要素に一定の工数を使うため、小規模サイトや運用の手間を考えるならWordPress.org以外も選択肢に入れて検討されることをおススメします。
- テンプレートカスタマイズ
- バージョンアップへの追随
- セキュリティパッチ対応
- 高速化対応
- プラグイン動作確認
- 定期バックアップ
- 障害調査・対応
- 緊急時のリストア
何を重視してCMSを運用するか?の判断が重要
自由度の高いCMSは、カスタマイズを行う初期費用とメンテナンスを行う維持費が高くなります。反面、自由度の低いCMSは初期費用と維持費が安く済みます。
コンテンツマーケティングのオウンドメディアは継続して運用するのが最も難しい課題になる事が多いため、コンテンツに注力するための体制を構築した上で重視したい事をCMSに反映させるのがおススメです。
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