最強のソーシャルはブランドコミュニティ。ブランドと顧客の信頼関係。

Photo credit: Marcelo Campi / CC BY-SA
ソーシャルメディアの発展により一度は存在感が薄れたブランドコミュニティですが、Forresterの報告書によると今後ソーシャルメディアの勢いはゆるやかになり、ブランドコミュニティがマーケティング戦略として注目を集めるだろうと予測されています[1]。
コンテンツマーケティングの目的となるブランド認知とエンゲージメントには、この価値観を共有する場であるブランドコミュニティが貴重な存在になります。
またブランドコミュニティが構築されるとUGC(User Generated Content)と呼ばれるユーザーによるコンテンツが自発的に作られて行き、新しくブランドに興味を持ったユーザーの意識形成を手助けしてくれます。
今回はそんなブランドコミュニティを形成する上で重要なポイントを米企業の事例とともに紹介します。
顧客同士の深いつながり
ブランドコミュニティはユーザー同士のコミュニケーションを促進するものです。
ハーレーダビッドソンは1980年代から効果的なブランドコミュニティの形成に努めてきた企業で、ブランドコミュニティのパイオニアと言えます。ブランドコミュニティのHarley Owners Group (HOG)は、ハーレーブランドの熱烈なファン同士の交流の場として始まりました。
今や登録者数はアメリカ国内で100万人以上に上り、ただネット上でブランドに対する熱意を分かち合うだけでなく、オフラインでもユーザー同士でツーリングなどのイベントを行ったりしています[2]。
ブランドと顧客の信頼関係
ブランドコミュニティを通じたコミュニケーションにより顧客の信頼を築き上げるのが、ブランド戦略としては理想的です。
アメリカのスターバックスは、登録者15万人以上のMy Starbucks Ideaというブランドコミュニティ―を通じて顧客からブランドに対する意見・提案などを募っています。
アプリを使ってチップを払うサービス、ピーチグリーンティーレモネードなどの新商品、今では当たり前の店内フリーWi-Fiなど、過去6年でおよそ300もの提案が実際に採用されました[3]。
実際に顧客の声に耳を傾けることでブランドと顧客の関係がさらに濃いものとなります。
便利なツールとしてのブランドコミュニティ
ユーザーの役に立つQ&Aサイトは、ユーザーの参加を促すのに効果的です。アメリカの税務調査会社H&R Blockはユーザーが税金に関する疑問を解決できるコミュニティを形成しました。
単に問題を解決するだけでなく、ユーザー同士が自らの経験をシェアする場でもあります。このコミュニティで解決された質問は100万にも及び、結果サイトの新規訪問者は150万人、前年度に比べて企業の売上は15%も増加しました。[4]
ターゲットは人間である
ビジネスとはいえ相手は人間であることを忘れてはいけません。
アメリカの菓子会社ペパレッジファームはゴールドフィッシュというスナック菓子ブランドのサイト上で子ども向けのゲームを配信していましたが結果は今一つでした。
そこでただ単にブランドを売り込むのではなく、ターゲットである子どもや親が助けを必要としている問題に焦点を当てました。
マーケティングチームは多くの子どもがうつ病などの心の病に悩んでいるという統計に目を付けて、心の悩みを抱える子どもを持つ親をターゲットにブランドコミュニティ を立ち上げました。
ペンシルベニア大学の心理学者と連携して、心の悩みに関して学べるコンテンツとディスカッションツールを提供し、子育てに悩む親を惹きつけました。
世間は人とのつながりを求めている
今日ソーシャルメディアはマーケティングにおいて重大な役割を担っているのは確かですが、あくまでコンテンツを拡散しキャンペーンの効力を最大限に引き出すためのツールです。
効果的なブランド戦略には、ブランドコミュニティを通じた顧客とブランド、そして顧客同士の深い関係の構築が、長期的な利益の向上には欠かせないでしょう。
引用・参考情報
[1] https://www.forrester.com/Predictions+2015+Social+Media+Grows+Up/fulltext/-/E-RES119621?docid=119621
[2] http://www.momentology.com/4359-10-exceptional-examples-of-brand-communities/
[3] http://blogs.starbucks.com/blogs/customer/archive/tags/Launched/default.aspx
[4] http://barnraisersllc.com/2012/12/6-big-data-case-studies/
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