広告ブロック時代のネイティブ広告とコンテンツマーケティングについて


Photo credit: TheWildHub / CC BY

広告ブロックでマーケティング危機?

Google ChromeやFirefoxなどブラウザでは広告を非表示にする拡張機能Ad Block Plusが普及し始め、最近リリースされたiOS 9 においてはSafariブラウザに広告ブロックの機能が搭載されたことも話題になっています。

世界での広告ブロックの使用率は2015年夏までに1年間で41%も増加し、広告ブロック使用者は世界で1億9,800万人に登ると言われています[1]

広告ブロックの普及が進んでいくと、従来のバナー広告やポップアップ広告の効果はどんどん薄れてきています。

消費者にとっては邪魔な広告が排除されるためコンテンツが見やすくなり便利だとはいえ、広告主には広告費が無駄になりかねない深刻な問題です。

そこで最近注目されているのがネイティブ広告です。今回はコンテンツマーケティングと広告ブロックに深く関わっているネイティブ広告について説明します。

コンテンツマーケティングとネイティブ広告

コンテンツマーケティングとネイティブ広告は両者とも「ターゲット層に向けて価値の高い、ためになる内容を届ける」という面では似ています。

コンテンツマーケティングが主に自社管理のメディア(オウンドメディア、ソーシャルメディア含む)からコンテンツを配信する戦略であるのに対して、ネイティブ広告は費用を出して外部のメディアに掲載してもらう広告です。

ネイティブ広告は、掲載先のプラットフォームに自然に溶け込むようにデザインされているものが多いのが特徴です。従来のバナー広告やポップアップ広告のようにメインのコンテンツを邪魔しないので消費者に与えるストレスも少なく、広告のメッセージを受け入れられやすくなります[2]

Pulse Pointの報告書によると、アメリカのパブリッシャーの約54%がネイティブ広告が収益に大きく関わっていると認識しているそうです[3]

広告ブロックとコンテンツマーケティング

ネイティブ広告は広告ブロックされずらいという性質を持っています。ディスプレイ広告などではDSP単位でブロックされるため影響が如実に出ます。

ネイティブ広告であれば100%ブロックされないという訳ではありませんのでご注意下さい。

ブラウザの広告ブロッカーとして有名なのがAdBlockです。広告ブロックがどのような仕組みで行われているのかに興味のある方はオープンソースで公開されているuBlockが参考になると思います。

iPhoneでも無料の広告ブロッカーが多数登場してきています。今やウェブ広告の主戦場はスマートフォンですので、広告ブロッカーの認知が高まっていくとリスティング広告やディスプレイ広告に大きく影響が出てくることが予想されます。

代表的なネイティブ広告の例

  1. サーチエンジンのオーガニックサーチで表示されるスポンサー付きの検索結果(例:Google、Yahoo!、Bing)
  2. 閲覧・検索履歴に応じて表示される “合わせて読みたい記事”などのコンテンツ(例:Time、Huffington Post)
  3. 閲覧・検索結果に応じて表示されるおすすめ商品(例:AmazonなどのEコマースサイト)
  4. フィード内のプロモーション(例:Facebook、 Twitter、LinkedIn)
  5. スポンサー付きの記事やコンテンツ(例:BuzzFeed)

[4][5]

スポンサー付きのコンテンツを用いたネイティブ広告に成功した例としてはペットフード会社のPurinaが挙げられます。

サイト訪問者数は月間2,000万人、ソーシャルメディアのインプレッションは月間185億ともいわれるウェブメディアBuzzFeedで[6][7]、”Dear Kitten”という動画を配信し、2,380万回を超える再生回数を獲得しました。

この動画は1匹の猫が新しく家にやってきた子猫に人生のアドバイスを与えるというストーリーで、愛猫家の共感を呼ぶ猫の習性などがコミカルに描かれています。作品性が高く、単に可愛い猫がおいしそうにキャットフードを食べるという映像ではこれほどの注目を浴びることはなかったでしょう。

ネイティブ広告をコンテンツマーケティングに組み込む

より良質なコンテンツを求める現代の消費者に、メッセージを届けるには従来の一方的なアピールでは注目を集めることは難しくなっています。

ネイティブ広告は広告ブロックに対する有力な対策の一つと言えますが、まず価値あるコンテンツが無ければ広告効果を期待できません。

コンテンツの魅力を最大限に引き出すツールとして、ネイティブ広告をうまくコンテンツマーケティングの戦略に組み込む必要があるでしょう。

引用・参考情報

[1] http://blog.pagefair.com/2015/ad-blocking-report/

[2] http://contentmarketinginstitute.com/2015/08/native-advertising-content-marketing/

[3] http://www.pulsepoint.com/resources/whitepapers/2015_era_of_engagement

How Content Marketing and Native Will Drive a New Era of Engagement 4ページ目

[4] http://www.iab.net/media/file/IAB-Native-Advertising-Playbook2.pdf

[5] http://blog.funmobility.com/2014/08/28/what-are-native-ads-core-six/

[6] http://www.wsj.com/articles/buzzfeed-nails-the-listicle-what-happens-next-1422556723

[7] http://venturebeat.com/2015/10/02/is-native-advertising-the-answer-to-publishers-ad-blocking-problems/

 


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