コンテンツマーケティングでよく起こる10のアンチパターン
CMIが実施したマーケター向けの調査によると、84%のマーケターが戦略を持たずにコンテンツマーケティングを実施することは効果を生み出さないと回答しています[1]。
戦略を持たずにコンテンツマーケティングを実施してしまったアンチパターンがどのようなケースなのかまとめてご紹介いたします。
1.ターゲットの絞り込みができていなままコンテンツを配信する
ペルソナ[2]の設定に労力を惜しみ、ターゲットの欲しい情報が何かを考えずに制作されたコンテンツ配信は、コンテンツマーケティングの企画段階からつまずいているアンチパターンの代表例です。
コンテンツマーケティングは、ターゲットを明確に絞り込み、そのターゲットの求める有益な情報を提供することで、「潜在顧客」を「顧客」に、「顧客」を「リピーター」に育てていくマーケティング手法です。
そのためには、自社のサービスを買ってもらいたい顧客がどういった人物像であるかを制作側が深く理解することがコンテンツマーケティング成功への第一歩です。ペルソナを設定する際に下記の項目を参考にしてください。
- 年齢層
- 性別
- 住まい
- 職種(以前の職種)
- 趣味
- 年収
- 不満
- 性格(几帳面、適当など)
とにかく具体的に設定をすることがコンテンツ制作成功の秘訣です。
日本でペルソナマーケティングにより成功を収めた企業を下記にご紹介します。是非、参考にしてみてください。
http://liskul.com/wm_personam6-5104
- スープストック(10年間で売上高42億円に成功)
- TBC(問い合わせ数を30〜40%アップ)
- アサヒビール(3カ月で6,000万本の売り上げアップ)
2.顧客の購買意欲のレベルを考えずにコンテンツを配信する
サービスを購入する消費者にはいくつかの購買意欲の段階があります。購買意欲の層によって、どういった情報が有益であるのかも異なります。
サービス内容や製品を全く知らない潜在顧客に対して、この製品いいですよ!こんなところがすごいですよ!という売る側の一方的な情報が盛り込まれたコンテンツを配信しても全く響きません。
逆に、製品やブランドを既に知っている潜在顧客に対しては、他者と比較検討できるような製品の詳細情報は有益な情報となります。
この購買意欲の遷移をマーケティング用語で「パーチェスファネル」と言います[3]。購買意欲の段階は「認知」→「興味・関心」→「比較検討」→「購入」→「再購入(リピーター)」の5つの段階にわけられます。コンテンツをどの購買意欲を持ったターゲットに配信するか明確に設定し制作してください。また、層によってマッチする広告も異なりますので、広告の特徴を良く理解しプロモーションしていきましょう。
3.話題先行型によるコンテンツ配信の割合が多い
自社のブログサイトへの訪問数やソーシャルメディアのシェア数を増やすことに注力するあまり、ターゲットを無視した話題先行型のコンテンツばかりを配信してしまうケースがあります。
一時的にサイト訪問数やシェアが増えたとしても、本来サービスを購入して欲しい潜在顧客の流入、顧客の囲い込みにはつながりません。
コンテンツを制作する前に、コンテンツがターゲットの求めている情報であるか、自社の製品やサービスの意図からかけはなれたものでないかを今一度確認してください。
4.コンテンツの流入・流出経路に戦略がない
コンテンツマーケティングを拡散するためにソーシャルメディアやオンライン広告は効果的な手段です。
しかし、ただPPC広告は効果があるらしいからとりあえずやってみよう!自社サイトのFacebookファン数が既に多くいるからとりあえずそこでシェアしてみよう!という戦略のないコンテンツの流入・流出ルートは一時的な効果しか生み出しません。
ソーシャルメディアや広告にはそれぞれの特徴があります。その特徴とコンテンツがマッチすることで初めて効果を生み出します。
5.見出しとコンテンツがマッチしていない
顧客の興味を惹くことに注力するあまり、見出しが本文とマッチしていないことがあります。
せっかく興味を持ってページを訪問した潜在顧客に不信感を与えてしまい、逆効果を生み出します。
これはマーケティングノウハウの話でよく出てくるタイトルでアテンション獲得方法として利用される釣り・煽りタイトルを使うと良く起こりますので、利用場面を考えたタイトル付けを行う必要があります。
6.製品やサービスをアピールしたコンテンツ配信の割合が多い
セールスに関わる内容のコンテンツが多すぎると顧客との信頼関係は構築できません。
まずは読み手を主役とした話題からはじめ、相手が興味をもったタイミングで自社のセールスに関する話題を持ち出すことが良いタイミングです。
コンテンツの黄金比率は8対2といわれています。潜在顧客の悩みを解決するような興味・関心のあるコンテンツが8 割、サービス・製品に関するコンテンツを2割にすることが効果的です[4]。
7.配信スケジュールに規則性がない
マーケティングカレンダーを作成していますか?自動配信ツールを使っていますか?
読み手は、自分の都合の良い時間に、求めている情報が規則性もって配信されることを期待しています。コンテンツが最も読まれている時間帯や曜日は解析レポートですぐに確認できますのでチェックを怠らずに!
8.ビジュアルにこだわりすぎている
インフォグラフィックや動画は効果の高いコンテンツです。しかし、力を入れするあまり自己満足度の高い、メッセージ性のないコンテンツを制作している場合があります。
良いコンテンツのポイントは顧客がメッセージを理解しやすい内容であることです。
また、構成やデザインに時間をかけすぎたコンテンツは決して費用対効果がよいとは言えません。一つのコンテンツにかける制作時間はある程度目処をつけて取り掛かることをお勧めします。
9.KPIを設定していない
コンテンツマーケティングを実施する際に数値目標を設定せずに開始しているケースがあります。
とりあえずやってみよう、ではマーケティングカレンダーの企画も曖昧になり結果につながりません。
訪問者数、サイト滞在時間、コンバージョンを何とする(例:自社サイトへの誘導、ホワイトペーパーのダウンロードなど)のか、などを細かく設定し、分析レポートをもとに達成状況を必ずチェックしてください。
10.CTA、コールトゥアクション(Call to Action / 行動要請)がない
購買意欲が「比較検討」まできている潜在顧客向けコンテンツに、製品やサービスを買ってもらうことに誘導するメッセージが盛り込まれていないコンテンツでは、利益につなげることはできません。
次のステップに進めるためは以下のようなメッセージを盛り込んでみてください。
- 文末に自社の問い合わせアドレスを盛り込む
- もっと有益な情報(ホワイトペーパー)のリンクを貼ると同時にデータベース(指名・メールアドレス)の入力フォーマットのリンクを貼る
- 自社のランディングページのリンクを貼る
引用・参考情報
[1] http://contentmarketinginstitute.com/2013/10/2014-b2b-content-marketing-research/
A documented strategy makes a difference, as 84 percent of marketers who say they are ineffective at content marketing said they have no documented strategy.
[2] https://ja.wikipedia.org/wiki/ペルソナ
ペルソナとは、企業が提供する製品・サービスのもっとも重要で象徴的なユーザモデルのこと。
[3] https://ja.wikipedia.org/wiki/パーチェスファネル
パーチェスファネル(英: purchase funnel)とは、マーケティングの考え方の一つです。St Elmo Lewis のAIDAモデル(AIDMAモデル)の発展形で、消費者の購入までの意識の遷移をファネル(漏斗)で図化したもの。購買ファネルともいう。
[4] http://www.business2community.com/content-marketing/80-20-rule-content-origins-apply-0855447
80% of your outcomes come from the 20% of your inputs
If we go back to the very first principle, the 20% of your content will make 80% of the revenue or leads. Under this perspective, only 20% of the content should be for sales purposes, self-promotion, lead generation and advertisement.
The other 80% should be about your customer: the problems they usually have, interesting data regarding your industry and other things that can be linked to your brand but nor purely sales content.
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